午前TEN時頃、彼らの稼働は始まるようで
序盤の鳴りは響き始めた
彼らの動きは時計の針の推進の一部分にあるようで
数分間の動きだけを許されているようで
数分間の稼働の後、彼らだけが動きを停止した
奇妙な光景である
針は動いているというのに
わたくしは、次回の稼働も見守ることにした
TENとTWOを足した刻に、次は始まった
初回と同じ音である、動きも同じであったと思う
近くへ寄って、観察を始める
停止した彼らが、はっきりと見えた
近代建築の中において
ノンストップの時の中において
彼らは彼らの建築様式を打ち連ね、そして停止を顕わにしていた
潔い、明瞭な停止姿であった
異なる様式のタッグを、空に向かって撮ってみた
違和感のあるような、新感覚のような一枚となった
改めて思う
彼らの稼働は、音を奏でる一瞬の為だけにある
音の出る時が過ぎれば、彼らは死する
仮死なんてものじゃない、死なのである
時の流れ、世の流れ
誰にも止めることなどできないものではあるが
存在の流儀は
自身の中に流るる意識や目的の次第で
時流は停止も稼働も
様々に顕し醸し出せるものであるのかもしれない