地上を這うようにして激しく走り!さぁ、映画の一場面のように楽しむんだい!

花火は空に咲くというけれど

容易く咲いているわけではないのがわかる

 

地上を這うようにして激しく走り

発火して爆発して激しさの末に空に打ち上げる光の道

 

 

その光をずーっと一緒に辿って行くと

空に咲く花火に出会えるのである

 

それは空に昇って行くみたいに

今は亡き何者かに触れられるような心地にさえ誘われる

 

 

大切な人はいるか

大切な人はいたか

 

何度も何度も確かめて

そのぬくもりを思い出して刻み付けて焼き付けるんだ

 

 

全身で浴びるように感じるのが最高である

ときどき寝そべって見ちゃいなよってことさ

 

 

嗚呼、火の粉が降って来る

咲き終わりに空は地上に何かを生み落とすのかもしれない

 

 

地上の発火は激しさを増して

白い大陸のように広がっていった

 

 

琥珀色の美しい花火に恋する白い獣のように

なんだか映画の一場面を見ているみたいだった

 

 

素敵である

嗚呼、白い獣よ

恋しているのかい!そうなんだな!とわたしは勘づいていた

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