恰幅のよいクラゲは
ポムポムと弾けて浮かんだ
透き通るように繊細で
薄い髭を靡かせて揺らめくクラゲは
その身をスクリーンのように色彩に捧げていた
万華鏡トンネルを出ると
最初の入り口に戻って来ていた
再び、ありのままのクラゲと対面を果たした
感慨深い気持ちになって行く
最初に目にした時よりも好きになっていた
未知数を溢れかえらせて泳ぐ様は
とんでもなく美しい
感情の色だけがその身を支配して行くようだった
外へ出ると
地から水が噴射する時間に遭遇した
水しぶきに遭い、勢いというものを知る
走りだす、瞬速の針である
ゆったりと
そして瞬速である時のもとにて
スカイツリーと呼ばれる塔を見上げると
塔と鏡面建造の共演を慈しむ夜空となった
塔の矛先、てっぺんが見える
先端にダイヤモンドを乗せているみたいである
キャメラとともに旅をするようになって
一層、美の遠近は腕前を上げて行く
分かち合える美はダイヤモンドみたいに煌めいていた