小道は緩やかな登り道
日差しが強いので、熱気から身を守ろうと
草陰に寄り添ったところに、突如、石段が現れた
わたしは熱気で朦朧として、うっすら幻覚でも見たのかと思って
持っていたペットボトルの冷えた水を首筋やおでこにあて
体内に水を流し込み、正気を確かめた
どうやら正気である
草をかき分け、上向け上だと自分自身に指示をした
登りきって、両足が平らな地を踏みしめたとき
呼吸する空気の味が変わった
開放的な匂い味わい、この眺め
心身ともに感無量の極みの中に溶けて行く
癒しの水は青々と深々と
海から陸地が顔を出して、陸のてっぺんに一本育った樹
地の盛り上がりの先に立つ粋なサムライのよう
わたくしも、サムライに向かって、しなやかに立って魅せた
そのまま、視線を右から左へと移すと
嗚呼、素敵な浜辺があるではないか
浜辺には人がいないみたいに静かな不思議
穴場スポットなのだろうか、わからないが行ってみたくなった
向かう途中、お天道様に挨拶
そろそろ夕方になっていく気配も感じた
浜辺に到着
わたしは到着してすぐに横たわった
さぁ、わたしは今どこに横たわっているのでありましょう
嗚呼、自然の中に身をゆだね